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オンライン診療 学び | 医師監修

オンライン診療、クリニック選びの7つのポイント

目次
時限的に大きく規制緩和されたオンライン診療
【クリニック選びの7つのポイント】
ポイント1.診察はビデオ通話か?
ポイント2.診療予約はできるか?
ポイント3.保険外負担費用は?
ポイント4.お薬の処方可能日数は?
ポイント5.院内処方か?院外処方か?
ポイント6.対面診察もできるか?クリニックの立地は?
ポイント7.担当医師との相性は?

時限的に大きく規制緩和されたオンライン診療

新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的なパンデミックを受けて、2020年4月10日、厚生労働省の事務連絡によりオンライン診療のルールが時限的に大きく緩和されることになりました。待合室や診察室での院内感染や、医療従事者の感染による医療崩壊を予防することを目的とした対応です。

参考:
[厚生労働省]新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて
[厚生労働省]新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その10)

 

実は、オンライン診療自体は、2018年3月にオンライン診療ガイドラインが公表されたことで、すでに解禁されていました。しかし、「初診対面の原則」をはじめとして、オンライン診療を行うための条件が非常に厳しかったため、実際は医療機関側ではなかなか採り入れられない、という状況がありました。

参考:[医療従事者向け]オンライン診療ガイドラインの5つのポイント

 

そんな中、今回の規制緩和の最も大きなポイントは、その「オンライン初診」が解禁されたということです。加えて、これまでは再診以降も、定期的に対面診察を行う必要性がありましたが、そのルールも緩和されました。

一方で、すべての医療機関がすぐにオンライン診療に対応できるわけではないため、患者さまの中には、かかりつけのクリニックが「オンライン診療をやってくれない」、「休診になった」などの状況により、他のクリニックでオンライン診療を受診する方法を検討しなければならない方も多いのではないでしょうか?

実際に、医療機関の6割は、「直接見ないと不安」「機器が未整備」ということを理由に、オンライン初診に対応しないというのが現状のようです。

引用元:オンライン・電話での初診、医師の6割「対応せず」

 

この記事では、そのような方たちがクリニック選びをするために留意したほうがいいポイントについてご紹介したいと思います。

<クリニック選びのポイント>

1.診察はビデオ通話か?

まず、オンライン診療をする方法について、今回の規制緩和では、従来はビデオ通話での診察でなければいかなかったものが、電話診察も認められるようになっています。そこで、クリニックを選ぶ際には、診察方法がビデオ通話なのか電話なのかを確認しておきましょう。

おすすめは、ビデオ通話を採用しているクリニックです。電話だけでの診察では、顔色や表情などがわかりにくいため、対面診察を基本とした教育を受け、五感を活用して診察を行う医師にとっては、全体的な患者様の診断情報が不足することがあります。
逆に患者側としても、ビデオ通話は医師にきちんと診てもらっている、という安心感も得られるのではないでしょうか。

また、電話のみの診察では、医師の“なりすまし”が容易にできてしまいます。電話越しの相手が本当に医師なのか、全くわからない状況です。

このような理由から、適切な診断、信頼できる診察を受けるためにも、ビデオ通話での診察を行うクリニックを選択するといいでしょう。

<クリニック選びのポイント>

2.診察予約はできるか?

2つ目のポイントは、クリニックで事前に診察の予約ができるかどうか、です。

従来、医療機関では、診察の予約という概念が長く浸透してきませんでした。対面診察において予約システムを導入するクリニックが出てきたのも、ごく最近のことではないでしょうか?
しかし、そのような予約制のクリニックであっても、結局はかなりの時間を待たされるという経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか?

これは、患者さまによって必要となる診察時間、検査時間がバラバラで、診察をしてみないとわからない、という医療ならではの理由があります。
そんな中、無理に予約制をとり1人あたりの診察枠を長めに設定すると、診れる患者数が少なくなってしまい、今後は医療経営が成り立たないという事情があるのです。

オンライン診療を行う医療機関は、経営努力により予約制を採用しているクリニックがほとんどです。しかし、中にはオンライン診療を行っていても予約制ではないクリニックもあります。

予約制でないクリニックは、対面診察の患者さまを優先していることが多く、オンライン診察が後回しになるケースもあります。また、オンライン診療のための枠自体が少ない、ということも考えられますので、オンライン診療に対するスタンスは消極的、と考えていいでしょう。

患者側から考えても、予約制でない場合は時間的な拘束を受けることになります。
院内感染の予防だけが目的であればいいですが、時間の効率化というオンライン診療の本来の良さを無くしてしまうことになります。

<クリニック選びのポイント>

3.保険外負担の費用は?

時限的に緩和された今回のオンライン診療のルールにおいては、オンライン診療は対面診察と比べて診療報酬が少なく、患者あたりのクリニックの収益が少なくなります。そのため、保険診療の負担とは別に保険外で料金を請求するのが一般的です。

クリニックの医療収益は、主に診察料、処方せん料(または処方料+薬剤料)、検査料、医学管理料で成り立っています。特に、検査料と医学管理料は非常に大きなウエイトを占めており、医療経営上は非常に重要なものです。

しかしながら、オンライン診療では、診察料や医学管理料が減ることに加えて、検査ができないため検査料が算定できません。加えて、処方箋の郵送料や、薬剤の配送料、オンライン診療システムの契約料など、追加で発生するコストもあります。
したがって、患者1人あたりの収益は大きく減少します。

そこで、オンライン診療を行う医療機関は、ほとんどが保険外負担として別途料金を設定しています。名目としては、システム利用料や配送料(または郵送料)としているところが多いようです。

この料金は、相場としては1診察あたり1,500~2,000円のところが多いようですが、クリニック側が自由に設定できるため4,000~5,000円の保険外負担をとるところもあります。

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行がいつまで続くか不透明な中で、長くオンライン診療を続けることが必要となると考えると、こちらの料金も事前にチェックしておくことが賢明でしょう。

<クリニック選びのポイント>

4.お薬の処方可能日数は?

お薬の処方可能日数もクリニックによって差があります。

今回、オンライン診察では、患者の基礎疾患が把握できる情報(血圧が高い、血糖値が高い、肝機能が悪い、腎機能が悪い等)がない場合は、7日分の処方しかできない、というルールが決められています。これは、オンライン初診に限らずオンライン再診においても同じです。

もう少し詳しく説明すると、オンラインで診察を行う医師は、診療情報提供書(いわゆる紹介状)、カルテ情報、定期健康診断の情報、などの情報を確認できていない場合は、7日分のお薬しか処方できません。

このことから、クリニックによっては1診察あたり7日分しか処方してくれないケースもあります。
風邪などの急性疾患であれば問題ありませんが、例えば花粉症や生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症)など慢性疾患の患者の場合、保険外負担がある中で、1週間おきの受診というのは非現実的で、多くの費用負担となってしまいます。

ただし、例えばICT化を進めているクリニックは、問診表が電子化されており、患者さまの基礎疾患の把握や、定期健康診断結果や服薬情報(お薬手帳など)の画像の送付などで、医師がオンライン初診時に患者の基礎疾患を確認しているとこともあります。

このようなクリニックでは、1ヶ月や2ヶ月というような長期の処方も可能なようです。
花粉症や生活習慣病などの慢性疾患でオンライン診察の受診をお考えのかたは、この点にも留意してクリニック選びを行うと良いでしょう。

<クリニック選びのポイント>

5.院内処方か?院外処方か?

お薬については、もう一つポイントがあります。
お薬の処方の方法は、医療機関の中で医師が直接薬剤を処方する「院内処方」、医師が処方箋を発行して調剤薬局で薬剤師が処方する「院外処方」2つがあります。

それぞれ、「院内処方」は、患者としては手間がなくて費用が安いが医療機関に在庫がある薬しか処方してもらえない、逆に「院外処方」は薬局に薬剤を受け取りに行く手間または配送料(保険外負担)が追加でかかるが、全ての薬剤が処方可能、という特徴があります。
オンライン診療の費用負担やお薬を受け取る手間をできるだけ減らしたい、という場合は、「院内処方」を行っているクリニックを選択するほうが良さそうです。

またこの点は、3つめのポイントで説明した保険外負担の内容とも関わってきます。
もし、その医療機関が院内処方を採用しているようであれば、クリニックに支払う保険外費用が多少高かったとしても、調剤薬局に行く手間や配送料を考えると、許容できるものとなるかもしれません。

<クリニック選びのポイント>

6.対面診察もできるか?クリニックの立地は?

このポイントは、基本的なことですが重要です。
新型コロナウイルス(COVID-19)の流行の中、医療機関によってはオンライン診療しか行わず、対面診察を基本的に行わない医療機関も出てきています。

しかし、急性疾患、慢性疾患問わず、今ある症状は悪化してしまう可能性や、変わってしまう可能性もあります。
そのような時に、きちんと対面で診察をしてもらえる体制や必要な検査ができる体制が整っているか、というのも一つの重要なクリニック選びの基準となるはずです。

ですから、オンライン診療が受診できるとはいえ、自宅から現実的に通えない範囲にあるような医療機関や、外来診療を閉じてしまっている医療機関でオンライン受診をするのは、受けられる医療の質を維持する上で得策とは言えません。

また、今回のオンライン診療の規制緩和はあくまでも「時限的」な措置です。新型コロナウイルスの流行が収束した際には以前のルールに戻ることになりますし、その際には、一度、直接の対面診察が必要になります。

ご自身が受診している疾患にもよりますが、その点にも留意しながら、医療機関を選んでいくと良いでしょう。

<クリニック選びのポイント>

7.担当医師との相性は?

最後のポイントは、担当医師との相性です。
これは、基本的には対面診察でも同じことですが、オンライン診療の場合、特に重要になってくるポイントだと思います。

オンライン診療は、医師と対面でのコミュニケーションを取れない分、「聞きたいことが聞けなかった」「伝えたいことが伝えられなかった」ということが起きてしまいやすいと考えられます。
ですから、そのようなオンライン診療の特徴を理解して、話をよく聞いてくれる、信頼できる医師を受診するのがいいでしょう。

逆に、時間の効率化をオンライン診療に対する最大の期待として考えているとすれば、話の長過ぎる医師は敬遠されると思います。

そういった意味で、今回、オンライン診療によって受診できる医療機関の選択肢が拡がる分、この機会に自分と相性いい医師を探してみるのも良いのではないでしょうか?

つなぐクリニックTOKYOでは、オンライン診療の規制が時限的に緩和される以前から、いち早くオンライン診療を中心とした診療に取り組んできました。主に、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病に加えて、花粉症(舌下免疫療法)、禁煙補助治療などを行っております。
また、今回の規制緩和を期に、生活習慣病と関わりの深い睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査もオンライン初診で受け入れることになりました。
新型コロナウイルス(COVID-19)の流行下においても、そのような患者さまへ必要な医療を維持するため、オンライン診療を活用した診療体制を今後も拡大し、皆様の健康に貢献していきたいと考えています。



この記事の執筆者

つなぐクリニックTOKYO 事務長
酒井 真彦 (さかい まさひこ)

【略 歴】
早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、
早稲田大学ビジネススクール(MBA)修了
大手製薬会社、リクルートライフスタイル等で
医療・ヘルスケア領域の新規事業企画を担当した後、
医療法人社団ウェルエイジングにて
つなぐクリニックTOKYOの開院に参画

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この記事の監修者

つなぐクリニックTOKYO 医師
渡邊 康夫 (わたなべ やすお)
【略 歴】
日本大学医学部大学院修了。
日本大学医学部付属練馬光が丘病院 内科,日本大学医学部附属板橋病院 救命科CCU,川口市立医療センター 循環器科,東京臨海病院 循環器科,敬愛病院 敬愛病院附属クリニックでの勤務を経て、現在に至る。

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