スマホ診ラボ

オンライン診療 学び | 医師監修

オンライン診療(遠隔診療)の薬剤の受け取りについて

目次
対面診療による院内処方と院外処方の違い
オンライン診療による院内処方と院外処方の違い
院外処方における規制の緩和とは?
スマホ診のオンライン診療による薬剤の受け取り

病院やクリニックで受診後に受け取る薬剤ですが、薬剤の受け取りは、院内処方か院外処方かによって受け取り方が変わります。
本記事では、対面診察による院内処方と院外処方の違いと、オンライン診療による院内処方と院外処方の違いをそれぞれご説明いたします。

対面診療による院内処方と院外処方の違い

1. 対面の診察による『院内処方』について

対面の診察による『院内処方』は、診察を受けたその病院やクリニック内で薬剤を受け取ることです。30年ほど前までは、ごく当たり前のように見られていた方法ですが、最近は採用するクリニックは少なくなってきました。
メリット・デメリットは以下の通りです。

メリット
・診療から薬剤の受け取りが1カ所にまとまっている
・病院やクリニック所属医師が使用する薬剤の把握ができているため、特殊な薬でない限り院内薬局に保管されている
・調剤薬局を介さないため診療代・薬剤代トータルの自己負担金額が少なくなる
・院内処方による手数料のほうが院外処方による手数料より低いため、薬剤が多少安価になる
・カルテを見ながら調剤することが可能なため、処方内容に不明点などがあった場合は薬剤師が直接医師に確認できる
・薬剤を受け取る際に、処方期間の変更や薬の追加変更ができる
・入院施設もある病院やクリニックの場合、入院時も同じ薬剤が使用できる
デメリット
・カルテのみで複数カ所から処方された薬剤の把握ができないため、複数の病院やクリニックで受診している場合、お薬手帳の提示がないと薬剤の一元管理が難しい
・患者が新薬などを希望した場合、院内に用意がないことがある
・長期間分の薬の保管場所確保ができない場合があるため、病院やクリニックによっては2週間単位での処方になる
・薬剤の準備に時間が必要なため、院内での待ち時間が長くなる

2. 対面の診察による『院外処方』について

院外処方は、病院やクリニックでで受診後に医師による処方箋をもらい、調剤薬局で薬剤を処方してもらう方法です。近年では、院外処方を選択する病院やクリニックが増えてきており、主流になっています。

「院外処方」が主流になってきた理由は、「国の政策の中で「医師が患者に処方せんを交付し、薬局の薬剤師がその処方せんに基づき調剤を行い、医師と薬剤師がそれぞれの専門分野で業務を分担し国民医療の質的向上を図る」とされ、院外処方が奨励されたためです。これは「医薬分業」と呼ばれるものです。国が医薬分業を推進した理由に医師の処方に対して薬剤師がチェック機能を果たすことで「患者の薬漬けを防ぐ」ことや「家庭内での残薬を減らす」というものがあります。院外処方は、診療報酬の点数(会計時に支払い額を決める算定方法)面でも優遇されるようになりました。

出典:厚生労働省「平成23年度 厚生労働省白書」医薬分業

メリット・デメリットは以下の通りです。

メリット
・複数の医療機関で処方された薬剤であっても一元管理がされる
・同一の調剤薬局に限り、調剤薬局で薬歴簿をつけているため、過去にアレルギーや不調などの副作用が出た薬を記録して管理することができる
・診察と薬の調剤が、別の場所になるため全体の待ち時間が軽減される
・薬の保管場所が確保されているため、「先発品・後発品(ジェネリック)」含めて、調剤できる薬の種類が増える
・薬剤師の立場から、市販の薬やサプリメントも含めて適切な説明を受けられる
・後発品(ジェネリック)で処方してくれるため、薬剤代が安価になる
・調剤薬局であれば、日本全国どの調剤薬局でも受け取ることができる
デメリット
・診察と調剤場所が異なるため、移動時間を要し、体力が必要になる
・調剤薬局での支払いが発生するため、診療代と薬剤代トータルの自己負担金額が多くなる
・処方せんに沿った処方になるため、受取時の変更はできない
・新薬などの調剤薬局にない薬の場合は、取り寄せになる
・複数の調剤薬局を使用してしまうと、お薬手帳がない限り薬の一元管理が難しい
・お薬手帳の提示がないと多少高くなる

大学病院等では、院内処方を選択している病院もありますが、それ以外の病院やクリニックでは、院外処方を選択しているところが大半を占めています。 もちろん、院内処方と院外処方のそれぞれにメリット・デメリットは存在するので、病院やクリニックではどちらの方法が合っているのかを検討をして、処方の方法を決めています。

オンライン診療による院内処方と院外処方の違い

では、次にオンライン診療による『院内処方』と『院外処方』の違いについてご説明いたします。

1. オンライン診療による『院内処方』について

オンライン診療による『院内処方』は、対面の診察による『院内処方』と異なり、オンライン上で受診後に、自宅や職場などのご指定の住所にお薬が送られてきます。
お薬が配送されると聞くと「法律上大丈夫なのか?」と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、配送できない毒劇物薬を除いて、一般的に処方される薬剤に関しては規定に沿って配送することができます。
ご希望の場所にお薬が届くので、クリニックや調剤薬局に取りに行く手間が省けて便利ではないでしょうか。

オンライン診療による院内処方のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット
・ご指定の住所に直接届くため、欠薬による薬の飲み忘れを防ぐことができる
・病院やクリニック所属医師が使用する薬剤の把握ができているため、特殊の薬でない限り院内薬局に保管されている
・カルテを見ながら調剤することが可能なため、処方内容に不明点などがあった場合は薬剤師が直接医師に確認できる
・調剤薬局での支払いがなく、診療代と薬剤代トータルの自己負担金額が少なくなる
デメリット
・事前に医師から説明があるものの、お薬が自宅に届いた際にその場で質問をすることができない

2. オンライン診療による『院外処方』について

こちらも対面の診療による『院外処方』とは異なり、オンライン上で診療を受けた後に処方箋の原本が指定した住所に送られてきます。
オンライン診療による院外処方のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット
・複数の医療機関で処方された薬剤であっても一元管理がされる
・同一の調剤薬局に限り、調剤薬局で薬歴簿をつけているため、過去にアレルギーや不調などの副作用が出た薬を記録して管理してもらうことができる
・診察と薬の調剤が、別の場所になるため待ち時間が軽減される
・薬の保管場所が確保されているため、「先発品・後発品(ジェネリック)」含めて、調剤してもらえる薬の種類が増える
・市販の薬やサプリメントも含めて、薬剤師の立場から、薬に関する適切な説明を受けられる
・後発品(ジェネリック)で処方してくれるため、薬剤代が安価になる
・調剤薬局であれば、日本全国どの調剤薬局でも受け取ることができる
デメリット
・調剤薬局へお薬を取りに行く必要がある
・調剤薬局での支払いが必要となり、診療代・薬剤代トータルの自己負担金額が多くなる
・処方せんに沿った処方になるため、受取時に変更はできない
・新薬などの調剤薬局にない薬の場合は、取り寄せになる
・複数の調剤薬局を使用してしまうと、お薬手帳がない限り薬の一元管理が難しい
・お薬手帳を提示しないと多少高くなる

オンライン診療による『院外処方』に関しては、現状、「医師は患者に対して処方箋の原本を渡さなければならない」という規制があるため、処方箋の原本をどのようにして患者の手元に届けるのかが課題となっています。

「原本に限る」という規制をかけている理由は、患者が1つの処方箋で何度も薬をもらうことを避けるためです。
しかし、オンライン診療を受けて、処方箋の原本が自宅に届き、その処方箋を持って調剤薬局に行くというのは手間に感じる方も多いでしょう。
そのため、この点については、規制の緩和が検討されています。
こちらの院外処方における(処方箋発行)における規制の緩和について次章で紹介いたします。

院外処方における規制の緩和とは?

おさらいになりますが、院外処方を採用しているクリニックでオンライン診療を受けた場合、薬剤の受け取り方は以下の流れとなります。

①オンライン診療を受け、診療方針を決定
↓ ↓
②病院やクリニックから処方箋が指定の住所に届く
↓ ↓
③患者が調剤薬局に処方箋原本を持参
↓ ↓
④患者が調剤薬局で服薬指導を受け、薬剤を受け取る

こちらの受け取り方をベースに、今後、規制緩和により期待される内容をみていきましょう。
②と③に関して、医師法22条および医師法施行規則21条では医師は患者に対して処方箋の「原本」を提供しなければならないと定められています。

・医師法第22条
「医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者又は現にその看護に当っている者に対して処方せんを交付しなければならない。ただし、患者又は現にその看護に当っている者が処方せんの交付を必要としない旨を申し出た場合及び次の各号の一に該当する場合においては、この限りでない。」

出典:厚生労働省 処方箋の交付等に関連する法令の規定

・医師法施行規則21条
「医師は、患者に交付する処方せんに、患者の氏名、年齢、薬名、分量、用法、用量、発行の年月日、使用期間及び病院若しくは診療所の名称及び所在地又は医師の住所を記載し、記名押印又は署名しなければならない。」

出典:厚生労働省 処方せんに関する法令の規定について

今後、クリニック・病院と調剤各局の間で、電子処方せんのやりとりができるようになれば、従来のように処方せんの原本を持参しなくても、診療後すぐにお薬を取りにいくことができます。

④の服薬指導に関しては、薬剤師法25条の2において、調剤したお薬を薬剤師が渡す際に薬剤に関する情報提供と服薬指導を対面で行うことが義務づけられています。

・薬剤師法25条の2
「薬剤師は、調剤した薬剤の適正な使用のため、販売又は授与の目的で調剤したときは、患者又は現にその看護に当たっている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない。」

出典:薬剤師法

つまり、処方箋の原本を調剤薬局に持参し、その場で薬剤師から用法や用量の説明、副作用や飲むときの注意点などの説明を受けなければなりません。それを「服薬指導」と呼びます。

今後の規制緩和で期待されていることは、先述の処方箋の電子化とともに、調剤薬局と患者の間でオンライン上での服薬指導が認められることです。実現すれば、調剤薬局からお薬を自宅へ配送することが出来るため、院外処方でもすべてオンラインで完結します。
規制緩和が進めば、オンライン診療の利便性向上の期待は高まりますが、前述した、処方箋の電子化のためのシステム環境の構築、運用ルールの確定など様々な課題が残っていることは明確です。

スマホ診のオンライン診療による薬剤の受け取り

最後に、当クリニックのオンライン診療サービス「スマホ診」の薬剤の受け取り方についてお話させて頂きます。
当クリニックでは、『院内処方』を採用しております。
オンライン診察を受けて頂き、医師が処方したお薬をご自宅や職場などご希望の配送先へお送り致します。
「お薬の受け取りが平日だと難しい」「出来るだけ早くお薬が欲しい」という方のために当クリニックのお薬の配送は、ポスト投函が出来るタイプの梱包材を採用しております。

さらに、お薬や症状に関して気になることがある際に、気軽に医師に相談が出来るようにオンライン診療だけでなくメールなどで直接相談できるオンライン医療相談もおこなっています。

ご自身のライフスタイルや意向に合わせて、病院やクリニックを選べる時代です。
当クリニックでは、現在の通院に不満のある方やそもそも通院する時間が取れない方、通院していたが通院して辞めてしまった方に気軽にご利用頂けるよう、予約した時間に自宅や職場で利用できるオンライン診療を中心として、定期的に通院が必要な生活習慣病(高血圧、脂質異常症/高脂血症、糖尿病など)の診療をおこなっています。

出典:
薬発第94号 5 院内処方について
厚生労働省「診療報酬(調剤技術料)院内と院外の評価の違い」P2
厚生労働省「平成30年度診療報酬改定の概要」調剤 薬局における対人業務の評価の充実④ P59
東京都薬剤師会「薬剤師に必要な職業倫理と薬剤師法の概要について」

この記事の執筆者

株式会社からだメディカル代表取締役
酒井 真彦 (さかい まさひこ)

【略 歴】
早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、
早稲田大学ビジネススクール(MBA)修了
大手製薬会社、リクルートライフスタイル等で
医療・ヘルスケア領域の新規事業企画を担当した後、
医療法人社団ウェルエイジングにて
つなぐクリニックTOKYOの開院に参画

この記事の監修者

つなぐクリニックTOKYO 監修医師
MCS東京銀座クリニック 院長
知久 正明 (ちく まさあき)
【略 歴】
日本大学医学部大学院修了・国立甲府病院・国立循環器病センター・日本大学医学部循環器 内科・敬愛病院付属クリニック院長・MCS東京銀座クリニックを開業

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