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脂質異常症 学び | 医師監修

脂質異常症(高脂血症)の治療薬について食事による悪玉コレステロールの減らし方

目次
脂質異常症治療薬(高脂血症のお薬)
まとめ

脂質異常症(高脂血症)の治療には、食事療法・運動療法・薬物治療の3つがあります。一般的に、まずは3~6ヵ月の食事療法と運動療法を用いた生活習慣の改善を行います。
生活習慣の改善を行った結果、脂質の値(総コレステロール値・善玉コレステロール値・悪玉コレステロール値・中性脂肪値)が目標値に至らず、また、動脈硬化や狭心症などの危険性が高いと判断された場合、薬物療法が検討されます。

薬の服用は、血液中の脂質の値(総コレステロール値・善玉コレステロール値・悪玉コレステロール値・中性脂肪値)を適切にするために行います。
薬の服用は、長期間に渡って行う必要があるため、どのような薬が処方されているのか、また、今後どのような薬を服用する可能性があるのか、あらかじめ知っておくと良いでしょう。

脂質異常症治療薬(高脂血症のお薬)

まず前提として、薬物治療をすれば生活習慣の改善が不要になるわけではないことを知っておいてください。脂質異常症(高脂血症)の治療は、生活習慣の改善が基本にあり、薬物療法はあくまでも、目標値に至らない脂質の値をコントロールするための補助治療です。

薬物療法の結果、検査値が良くなったとしても、自己判断で服用を止めてはいけません。薬は全体のバランスをみて処方されていますので、減薬したい場合は医師と相談して治療方針を決めましょう。

脂質異常症(高脂血症)の代表的な薬には、大きく分けて「コレステロール値を下げる薬剤」「コレステロール値と中性脂肪値を下げる薬剤」「中性脂肪値を下げる薬剤」の3種類があります。
また、現在では、先発薬剤と呼ばれる薬のほかに、後発薬剤と呼ばれるジェネリック医薬品もあります。先発薬剤もジェネリック医薬品も成分は同じですが、添加物が異なることによって体に合わないこともありますので、どちらを使用するのか医師や薬剤師と相談しましょう。

1. コレステロール値を下げる薬剤

コレステロール値を下げる薬には、以下の種類があります。

◆スタチン系製剤(HMG-CoA還元酵素阻害剤)
肝臓でコレステロールが合成されることを抑制する薬です。その作用によって肝臓にあるコレステロールが不足し、不足分を補おうとする働きにより血液中のコレステロールが肝臓に取り込まれ、血液中のコレステロールが減少します。動脈硬化を予防する効果が認められており、脂質異常症(高脂血症)の薬物療法として最初に処方されることも多いです。

代表的な薬剤名:メバロチン
服用方法:通常、10mg/日1~2回に分けて服用
副作用:
筋肉が破壊される「横紋筋融解症」を発症する可能性がある。まれな副作用として、腎臓疾患患者や高齢者に、ふくらはぎに筋肉痛があらわれることもある。腹痛や吐き気などの胃腸症状と肝障害が起こることもある。
代表的な薬剤名:リポバス
服用方法:通常、1回5mg×1回/日を服用
副作用:
筋肉が障害を受ける「横紋筋融解症」を発症する可能性がある。まれな副作用として、腎臓疾患患者や高齢者に、ふくらはぎに筋肉痛があらわれることもある。腹痛や吐き気などの胃腸症状と肝機能障害が起こることもある。
代表的な薬剤名:リバロ
服用方法:通常、1~2mg×1回/日を服用
副作用:
筋肉が障害を受ける「横紋筋融解症」を発症する可能性がある。まれな副作用として、腎臓疾患患者や高齢者に、ふくらはぎに筋肉痛があらわれることもある。腹痛や吐き気などの胃腸症状と肝機能障害が起こることもある。
代表的な薬剤名:リピトール
服用方法:通常、10mg×1回/日を服用
副作用:
筋肉が障害を受ける「横紋筋融解症」を発症する可能性がある。まれな副作用として、腎臓疾患患者や高齢者に、ふくらはぎに筋肉痛があらわれることもある。腹痛や吐き気などの胃腸症状と肝機能障害が起こることもある。
代表的な薬剤名:クレストール
服用方法:
通常、2.5mg×1回/日を服用。早期にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)値を低下させる必要がある場合は5mgより服用を開始
副作用:
筋肉が障害を受ける「横紋筋融解症」を発症する可能性がある。まれな副作用として、腎臓疾患患者や高齢者に、ふくらはぎに筋肉痛があらわれることもある。腹痛や吐き気などの胃腸症状と肝機能障害が起こることもある。
代表的な薬剤名:ローコール
服用方法:通常、20mg~30mg×1回/日を夕食後に服用
副作用:
筋肉が障害を受ける「横紋筋融解症」を発症する可能性がある。まれな副作用として、腎臓疾患患者や高齢者に、ふくらはぎに筋肉痛があらわれることもある。腹痛や吐き気などの胃腸症状と肝機能障害が起こることもある。

◆陰イオン交換樹脂(レジン)製剤
コレステロールを体外へ排泄する働きを促進する薬です。
肝臓で生成されたコレステロールの一部は、消化液のひとつである胆汁酸に変わり、消化・吸収を助ける役割を終えたあと、小腸で吸収され再び肝臓に運ばれ再利用され、最終的に排泄されます。
陰イオン交換樹脂製剤を服用すると、胆汁酸と結合して胆汁酸の排出を促します。それにより肝臓のコレステロールが減り、減った分を補填するために血液中のコレステロールが肝臓に取り込まれ、血液中のコレステロールが減少します。

代表的な薬剤名:クエストラン
服用方法:通常、水に4g(水100mLに懸濁)×2~3回/日を服用
副作用:便秘、硬便、軟便、腸閉塞など
代表的な薬剤名:コレバイン
服用方法:通常、1.5g×2回/日(一日最大4gまで)朝夕食前に200MLの水とともに服用
副作用:便秘、腹部膨満、食欲不振、吐き気、軟便など

◆小腸コレステロールトランスポーター阻害剤
小腸でコレステロール吸収を阻害し、血中コレステロールを低下させる薬です。 先ほど紹介したスタチン系製剤(HMG-CoA還元酵素阻害剤)と併用することで、高い効果を期待できます。

代表的な薬剤名:ゼチーア
服用方法:通常、10mg×1回/日を食後に服用
副作用:便秘、筋肉が障害を受ける「横紋筋融解症」を発症する可能性がある

2. コレステロール値と中性脂肪値を下げる薬剤

◆ニコチン酸誘導体製剤
肝臓での中性脂肪・リポタンパク質の合成を抑制し、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)値を低下させる作用とともに、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす作用があります。

代表的な薬剤名:ユベラN
服用方法:通常、100~200mg/3回/日服用
副作用:便秘、下痢、胃部不快感、発疹など
代表的な薬剤名:コレキサミン
服用方法:通常、1回200~400mg×3/日を食後に服用
副作用:顔の赤らみ、ほてり
代表的な薬剤名:ペリシット
服用方法:通常、250mg×3/日を服用
副作用:顔の赤らみ、ほてり

2. 中性脂肪値を下げる薬剤

◆フィブラート系製剤
中性脂肪の合成を阻害する薬剤です。 中性脂肪やLDLコレステロールを低下させ、HDLコレステロールを増加させる作用があります。ただし、それほど高い効果は期待できないことがあります。
スタチン系製剤や抗血栓薬(ワーファリン)、糖尿病薬と併用すると悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

代表的な薬剤名:ビノグラック
服用方法:通常、750~1500mg/日を2~3回に分けて服用
副作用:
筋肉が障害を受ける「横紋筋融解症」を発症する可能性がある。まれな副作用として、腎臓疾患患者や高齢者に、ふくらはぎに筋肉痛があらわれることもある。腹痛や吐き気など胃腸症状や胆石や肝障害を発症することもある。
代表的な薬剤名:ベザトールSR
服用方法:通常、400mg/日を2回に分けて朝夕食後に服用
副作用:
筋肉が障害を受ける「横紋筋融解症」を発症する可能性がある。まれな副作用として、腎臓疾患患者や高齢者に、ふくらはぎに筋肉痛があらわれることもある。腹痛や吐き気など胃腸症状や胆石や肝障害発症することもある。
代表的な薬剤名:リポクリン
服用方法:通常、200mg×3回/日を服用
副作用:
筋肉が障害を受ける「横紋筋融解症」を発症する可能性がある。まれな副作用として、腎臓疾患患者や高齢者に、ふくらはぎに筋肉痛があらわれることもある。腹痛や吐き気など胃腸症状や胆石や肝障害発症することもある。
代表的な薬剤名:トライコア
服用方法:通常、106.6mg~160mg×1回/日を食後に服用
副作用:
筋肉が障害を受ける「横紋筋融解症」を発症する可能性がある。まれな副作用として、腎臓疾患患者や高齢者に、ふくらはぎに筋肉痛があらわれることもある。腹痛や吐き気など胃腸症状や胆石や肝障害発症することもある。

◆EPA製剤
EPA(エイコサペンタエン酸)という魚の油などに含まれる成分から作られています。脂質の合成を抑制したり、血液を固まりにくくしたりする作用があります。
しかし、血液を固まりにくくする抗血栓薬(ワーファリン)などの薬剤を服用中の人が併用する場合、出血しやすくなるので注意しましょう。

代表的な薬剤名:エパデール
服用方法:通常、900mg×2回/日、または600mg×3回/日を食後に服用
副作用:
胃の不快感や吐き気、発熱、皮膚や白目が黄色くなるといった肝臓の副作用が疑われる症状、鼻血などの出血
代表的な薬剤名:ロトリガ
服用方法:通常、2g×1回/日を食直後に服用
副作用:
下痢、吐き気、発熱、皮膚や白目が黄色くなるといった肝臓の副作用が疑われる症状、鼻血などの出血

◆その他
・硫酸多糖体製剤(デキストラン硫酸)
・多価不飽和脂肪酸製剤(ポリエンホスファチジルコリン)
・植物ステロール(γ-オリザノール)
・ラスターゼ
・ビタミン関連物質(パントテン酸)

出典:メディカルレビュー社「治療薬UP-TO-DATE 2019」

まとめ

ここで挙げた内容は、標準的な薬の種類や副作用です。実際は、患者一人ひとりに合わせてどのような作用を求めるのか、既にどんな薬を服用しているのか、併発している疾患があるのか、といった要素を、年齢と掛け合わせて総合的に判断し、使用する薬剤を決定します。
また、薬物療法だけで脂質異常症(高脂血症)の治療を行うことはなく、食事療法・運動療法と並行します。
そのため、普段の生活の改善や継続的な運動も必要となります。

食事療法や運動療法を行うことで症状が改善されることもあります。薬剤量は症状に合わせて適宜、増減されることがありますので、医師の指示通りに服用をしてください。

また、記載している副作用はすべてではありません。もし、服用をしていることで、上記の副作用だけでなく、服用前と違う症状が出てきた場合や、気になる症状が出た場合は、医師や薬剤師に相談してください。

出典:
国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス「脂質異常症」といわれたら
日本動脈硬化学会「脂質異常症治療のエッセンス」
日本動脈硬化学会「動脈硬化の病気を防ぐガイドブック」
メディカルオンライン「脂質異常症治療薬」
医学情報科学研究所「チーム医療を担う医療人共通のテキスト」病気がみえる 糖尿病・代謝・内分泌

この記事の監修者

つなぐクリニックTOKYO 監修医師
MCS東京銀座クリニック 院長
知久 正明 (ちく まさあき)
【略 歴】
日本大学医学部大学院修了・国立甲府病院・国立循環器病センター・日本大学医学部循環器 内科・敬愛病院付属クリニック院長・MCS東京銀座クリニックを開業

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